2019.02.02

「機能性ディスペプシア」

「ディスペプシア」は、胃の痛みや胃もたれなど、腹部の不快な症状を示す医学用語で、これらの症状はディスペプシア症状と呼ばれています。ディスペプシア症状で受診する患者はたくさんいますが、画像検査をしてもはっきりした病気が見つからないことが少なくありません。異常が見つからないけれども、そのつらい症状は、胃の機能に異常があって起こっているとの考えから、機能性ディスペプシアという病名がつけられました。2013年からは、保険で治療できるようになりました。ディスペプシア症状が1週間に2~3回以上起こる状態が1か月以上慢性的に続いていれば、機能性ディスペプシアと診断されます。患者数は結構多く、健康診断を受けた人を対象にした調査では11~17%に機能性ディスペプシアがあるとされています。しかし、機能性ディスペプシアの人がすべて医療機関で治療をしているわけではないため、つらい症状を我慢している人は相当数いるのではないかと考えられています。

機能性ディスペプシアの原因 症状を起こす主な原因は、胃の運動異常と胃の知覚過敏です。胃の運動異常と知覚過敏を起こす大きな原因になっているのがストレスです。不安や抑うつ、また、幼少期に虐待歴がある人などは、胃や腸の運動や感覚に変化が起こりやすいと言われています。胃の運動を調整しているのが自律神経ですが、自律神経はストレスや不安の影響を受けやすく、自律神経の乱れが機能性ディスペプシアの原因と考えられています。 治療にも予防にも大切な生活の見直し 胃の動きや感じ方は、自律神経に大きく影響されます。機能性ディスペプシアの患者は、睡眠不足や不規則な生活などを見直すだけでも症状が改善する場合があります。機能性ディスペプシアはストレスが大きな原因のため、診断がつくだけでも不安感がなくなり、症状が軽くなる人もいます。 薬の治療 機能性ディスペプシアは、治療をすれば改善できる病気です。治療で主に使われる薬は、運動機能改善薬と胃酸分泌抑制薬です。不安感が強く、それが症状に大きく影響していると考えられた場合は、抗不安薬を併せて使用することもあります。現在は、漢方薬の六君子湯も使われる場合があり、選択の幅も広がっています。運動機能改善薬か胃酸分泌薬が第一選択薬になりますが、初期治療を行って改善が見られない場合は、4週後を目安に薬を切り替えます。

 

引用 2018 11月18日 NHK健康チャンネル