2018.01.17

「急性膀胱炎」

どんな病気?
女性に多い病気で、年齢を問わず罹ります。細菌が尿道から入って膀胱粘膜に付着、繁殖して起こります。通常は菌が入っても膀胱の感染防機能が働いて膀胱炎にはなりませんが、次の様な要因が重なると膀胱炎になります。
膀胱炎の要因は?
ストレス、疲れ、体調不良(風邪を引いた後など)、冷え症、尿を我慢しすぎた、1日の尿量が少ない、性行為など

どんな症状?
排尿痛、排尿時違和感、頻尿、残尿感、下腹部痛(違和感、鈍痛、張った感じなど)、血尿、混濁尿(白く濁っている)、尿臭が強い

検査は?
尿検査と尿の細菌培養検査で診断します。
尿検査: 顕微鏡で見て白血球(炎症細胞)が増えていれば膀胱炎と診断します。結果は直ぐに出ます。

尿細菌培養検査: 細菌の種類と抗生物質の効き具合を確認します。結果は数日かかります。 細菌の種類としては、大腸の中にいる大腸菌、腸球菌や、皮膚・粘膜にいるブドウ状球菌、連鎖球菌などがよく見られます。クラミジア(性感染)のこともあり、クラミジア膀胱炎が疑わしい時は尿中クラミジアのDNA検査をします。まれに細菌が証明されないこともあります。

超音波検査(エコー): 必要に応じて腎臓、膀胱に異常がないか確認します。
膀胱炎を繰り返す時、血尿が強い時は他に病気が隠れていないかどうか検査が必要です

治療は?

抗生物質内服3~5日間。通常1~2日間で症状はよくなり、3~5日間の治療で治癒します。  症状がよくなっても、もう一度尿検査を行って治癒を確認することが必要です。菌の種類によっては抗生剤が効き辛いこともあり、薬の種類を変えることもあります。

予防方法は?
1) トイレを我慢しすぎないようにする。
2) いつも水分を多めに取る。特に1日数回しかトイレに行かない方は注意が必要です。
3) 陰部を清潔に保つ。排尿・排便後は前から後ろに向けて拭きましょう。ウオッシュレットは良いいですが、ビデの使いすぎは逆効果です。
4) 性行為の後は早めに排尿する。性行為時に尿道から菌が入ることがあります。
5) 下半身を冷やさないように。
6) 体調管理に気をつける。ストレス、疲れが貯まる、風邪を引くなどで体の抵抗力が弱くなると、細菌が付着して繁殖しやすくなります。
7) クランベリジュースが膀胱炎の予防によいと言われています。

*1回かかると膀胱炎はくせになる?
くせになることはありませんが、膀胱炎になる要因があると繰り返すことがあります。何度も繰り返す時は他に病気が隠れていないか詳しい検査が必要です。