2017.12.08

「低温やけどに注意しましょう!」

湯たんぽによる低温やけどなどの事故が減らないとして、消費者庁は12/6、製品ごとの加熱方法を守り、体に長時間触れさせないよう、改めて注意を呼びかけました。湯たんぽに関する事故は今年10月までの約8年間に363件寄せられ、うち240件がやけどを負った事故でした。使用中に低温やけどを負った、加熱し過ぎてやけどを負った、破れてお湯が漏れやけどを負った、リコール対象品と気付かずに使用し発火したなどの事故が毎年継続的に発生しています。
湯たんぽには、お湯を入れるタイプ、電子レンジや充電で加熱するタイプなど様々な種類が販売されていますが、使用中にやけどを負う事故は各製品に共通して発生しています。

事例1:プラスチック製の湯たんぽを使用して右足首が低温やけどになった。ヒリヒリし、水疱になっている。低温やけどについて知らなかった。きちんとカバーを付けて使用していたのにやけどをするとは思わなかった。
事例2:湯たんぽで足にⅡ度の低温やけどを負った。自宅で治療していたが改善しないので受診した。一部皮膚が壊死しており悪臭を放っている。
事例3:就寝時に下腿に湯たんぽを使用したところ、翌朝Ⅱ度の低温やけどで水疱、びらんが生じた。
事例4:金属製の湯たんぽをガスコンロで温めたら破裂した。台所の窓ガラスが割れ、隣の家の車にガラスの破片が飛び散りキズを付けてしまった。隣人から車の修理代として塗装費用を請求された。
事例5:電子レンジで温めて使う湯たんぽをオート機能で温めたら、レンジ内で破裂した。
事例6:電子レンジ加熱式の湯たんぽを電子レンジで温めた後、取り出そうと扉を開けた後、湯たんぽが破裂し、加熱された内容物が顔にかかり、顔面熱傷の重症。
事例7:3年前に購入した充電式の湯たんぽが、いつものように充電してもなかなか温まらなくなったので、充電したままの状態で布団の中に入れて使用していたところ、明け方、足元が熱くて痛くて目が覚めた。湯たんぽが破裂して穴が開き、中から液体が漏れだし足首、足の甲、かかとにやけどを負った。

心地よく感じる温度でも、長時間皮膚が接触することで、それほど熱いと自覚しないままやけどになることがあります。低温やけどは、普通のやけどに比べて痛みが少なく、一見軽そうに見えますが、長時間熱の作用が及んだために、深いやけどになっていることも珍しくありません。特に就寝時に湯たんぽを使用すると気が付かないうちに長時間皮膚が接触してしまい危険です。布団を暖めた後は、就寝前に布団から出しましょう。
低温やけどを防ぐためには、長時間同じ場所を温めないことが重要です。皮膚が損傷を受ける温度と時間の目安は、44℃では3~4時間、46℃では30分~1時間、50℃では2~3分です。高齢者や子どもは皮膚が薄く、また高齢者や糖尿病の方は感覚が鈍くなっていることがあり、重症化しやすいとされています。

その他、電気あんか、使い捨てカイロ、電気毛布でも低温やけどを引き起こす場合があります。電気あんかも就寝時には布団から取り出す、貼るタイプの使い捨てカイロは必ず衣類の上に貼り、同じ箇所に長時間あてないようにする、貼ったまま眠らないように注意する、貼った部分をサポーターやガードルなどで圧迫しないように気を付ける、電気毛布は就寝時に電源をオフにする。やってはいけないこと:味噌や油、アロエを塗る、水疱を潰す。
寒い季節に頼りになる湯たんぽやカイロは、使い方次第で重症になる場合があります。使い方を守り、低温やけどを予防して冬を乗り切りましょう。

毎日新聞、消費者庁HP、ココカラファイン引用