フケは頭皮から出る老廃物で、古くなった頭皮の角質がはがれ落ちたものです。通常のターンオーバー(新陳代謝)で発生するフケは小さく、洗髪で取り除かれるので目立ちません。ただターンオーバーのリズムが速まると、未熟な細胞が目に見えるくらいの大きさでごっそりはがれてしまうのです。

フケ発生の要因は、頭皮の「皮脂」と、頭皮に存在する皮膚常在菌「マラセチア菌」のバランスが崩れること。ほどよい皮脂は頭皮に潤いをもたらし、マラセチア菌は雑菌の侵入を防ぎ頭皮の健康を守ってくれますが、どちらも多すぎたり少なすぎたりすると「フケ症」と呼ばれる状態になります。
フケはおおまかに「乾燥フケ」と「脂性フケ」の2つに別けられる。 「乾燥フケ」は過度な洗髪や、洗浄力の強いシャンプーが原因。ブラシで頭皮をゴシゴシと刺激する、爪を立てて洗髪する、ドライヤーの熱風、パーマやカラー、紫外線ダメージなども問題。またベトベトした「脂性フケ」は、頭皮の皮脂バランスが崩れて皮脂が増えたことが原因。皮脂が過剰にあると、皮脂を栄養とするマラセチア菌も必要以上に増殖、脂漏性皮膚炎を発症します。
まずは、毎日正しい方法でシャンプーをする必要があります。皮脂の取り除きすぎは乾燥フケの原因となりますが、逆に皮脂が多すぎても脂性フケの原因となってしまいます。毛穴に汚れが残るとつまってしまうので、いつも清潔に保つようにしましょう。シャンプーは1日1回。指の腹で優しく洗いましょう。アミノ酸系、ベビー用、乾燥肌用シャンプーがおすすめ。乾燥して頭皮がかゆい場合は、シャンプーやリンスをきちんと洗い流す。ドライヤーは短時間で行いましょう。

きちんとシャンプーをしているのに脂性フケが出るという人は、食生活や生活習慣に問題があるかもしれません。揚げ物やスナック菓子のような脂っこいものを好んで食べている人は皮脂が多く出るため、脂性フケが出やすくなります。また、アルコールの摂取を控えることは代謝を活性化させることに繋がりますし、ビタミンB2やB6のような脂質の代謝を促す成分を多めに摂取することも大切です。

睡眠不足もフケの原因に。皮膚のターンオーバーは夜の11〜2時が活発なので、この時間に眠っていることが大切です。フケ対策をしても良くならない場合は、皮膚科受診をお勧めします。