2019.02.23

「緩和ケアとは?」

緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に同定し、適切な評価と治療によって、苦痛の予防と緩和を行うことで、QOL(生活の質) を改善するアプローチである.

【緩和ケア定義】

  • 痛みやその他の苦痛な症状を和らげる.
  • 生命を尊重し、死を自然の過程と認める.
  • 死を早めたり、引き延ばすことを意図しない.
  • 患者ケアにおける心理的側面とスピリチュアルな側面を統合する.
  • 患者が最期まで人生をいきいきと、できるだけ活動的に生きることを支える.
  • 家族に対し患者の闘病中や死別後の生活に適応できるように支える.
  • チームアプローチを用いて患者と家族のニーズに対処する.必要であれば死別後のカウンセリングを行う.
  • QOLを高めて、病気の過程に良い影響を与える.
  • 化学療法や放射線療法などの他の延命を意図する治療と併存しながら、疾病の初期から適用可能である.さらに、必要ならそれらの治療に伴う副作用の緩和を行う

 

早期からの緩和ケア

以前はがんと診断されると手術で切除できなければ予後も非常に厳しかったのですが、最近では早期発見や手術、抗がん剤、放射線治療などの進歩により、がんと診断されてからの生存期間が大幅に延長され、がんを抱えながらも治療をしながら長期の生存が可能になってきています。ただ、長期の生存が可能になったといっても、痛みをはじめとしたからだの症状や気持ちのつらさなどを抱えていては充実した毎日を送ることができませんので、緩和ケアを併用することにより、よりその人らしい毎日を過ごすことが大事だと思われます。

自宅療養における緩和ケア(在宅緩和ケア)“当院も行っています。”

在宅緩和ケアのメリットとしては、患者さんが住み慣れた場所で生活でき、面会などの制限もないため家族や友人と充実した時間を過ごせるという点です。在宅医療では、診療所や訪問看護ステーションが緩和ケアの担い手になります。診療所は外来、もしくは往診によって基本的・専門的緩和ケアを提供します。現在、夜間の往診や看取りにも対応する在宅療養支援診療所が制度化され、24時間訪問看護ステーションなどとの連携も含めて、往診に対応できる診療所が増加しています。

緩和ケアについて知ろう | がん情報みやぎより引用