2018.12.11

「腸内環境を乱す「冷え」」

 

昔から「お腹を冷やさないように」と言われてきましたが、これは医学的にも科学的にもしっかりとした裏付けのある考え方です。

体が冷えれば、血行が悪くなります。血液には体の各部位に栄養分を届け、それと同時に老廃物を回収し、体外へ排出する働きがあるので、血行が悪くなると、各臓器の機能が低下してしまいます。それは大腸にも及びます。

大腸は蠕動(ぜんどう)運動をすることで、食べた物を消化・吸収しています。これをコントロールするのが自律神経で、体が冷えると自律神経の働きにも弊害が出るので、大腸の動きも弱まります。その結果として、大腸内に便が長時間にわたって溜まることになり、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れるばかりか、悪玉菌で充満してしまうのです。そして腸内の腐敗物から発生した有毒物質が腸壁から吸収され、血液によって全身へ運ばれます。これが体の様々な不調の原因のひとつとなっています。

また、体内の酵素は体温が36・5度のときにもっとも効率よく機能しますので、体が冷えると、腸内の消化酵素の働きが弱まり、十分な栄養を腸から体に吸収できなくなり、栄養失調の状態になります。特に腸内環境を冷えから守るには、おへそのまわりを重点的に温めるといいでしょう。おへそのまわりはほとんどの血液が経由していますので、ここを温めると効果的に全身を温められます。

 

善玉菌を増やして腸内環境を正常に保つ

 

いくら体や大腸を温めても、腸内の環境が正常かつ健康に保たれていなければ意味がありません。腸の中には、私たちの健康にとって欠かせない善玉菌と、体に害を及ぼす悪玉菌、体調が悪いときに悪玉菌になる日和見菌が存在しており、その数は約百兆個に及びます。生活習慣の乱れや加齢によって悪玉菌は増加しますので、できるだけ善玉菌を増やすような生活をこころがけましょう。 もっとも気をつけなければならないのは食事です。肉や脂を控えて、野菜や海藻、豆類、イモ類など食物繊維が豊富な食品や、オリゴ糖を含む大豆や玉ねぎなどを積極的にとるといいでしょう。

 

冷たいものはもちろん、甘いものも身体を冷やしてしまいます。東洋医学でいう、身体を温める「陽」の食材をバランスよく食べましょう。腸を温めることは身体全体に大きなメリットをもたらしてくれます。日頃から腸を冷やさない食事を心がけてみてください。

株式会社RAINBOW HPより引用