2018.1.20

「健康診断における基準値の定義(基準値は正常値ではない)」

健康診断結果にある基準値は「100万人以上の健康な人を集めて得られた検査データ」を元に日本人間ドック学会が制作しています。

そのデータの95%が含まれる範囲を抽出して平均化した数値が基準値です。基準値に採用されなかった5%の人も健康ではありますが平均的ではないために基準値外とします。

この基準値で注意したい点は「基準値=平均値」であり正常値ではないということです。あくまで平均値ですので病気の有無は直接関係ありません。病気であっても基準値内に有り、病気ではなくても基準値から外れるケースも良くあります。

健康な人のデータを正規分布図から平均値と標準偏差(SD)で表示されます。医学統計では山の左右の方向に2×標準偏差を加えて、平均値±2SDを統計値の「基準値」としています。

健康診断の基準値は以前に「正常値」という単語で使われていましたが、「正常の反対は異常」といった誤解を招くため、現在は「基準値」に統一されています。

この様に健康診断の基準値はあくまで健康の目安であり、病気になる可能性を察知する目的で、最終的には精密検査と専門医の総合的な判断が欠かせません。もちろん「基準値に収まる=健康である可能性は高い」ので医学的に信用できる数値です。

もう一つ、大事なことは過去の自分のデータを比較することです。健康で有った自分の過去の検査データを個人的な正常値として判断する。そのためにも健康診断は毎年受診することが大切です。

また、同じ検査項目でも医療機関ごとに検査方法や単位が統一されていないことが現状です。複数の医療機関の検査結果を比較する時は基準範囲が異なる場合があり注意しましょう。

ちなみに健康診断における基準値は日本人間ドックが定期的にサンプルデータを収集と抽出を行い、数年に1度更新されます。

健康医学協会 参照