2017.9.25

「おたふく風邪による難聴、2年で300人超 学会が調査」

おたふく風邪(ムンプス、流行性耳下腺炎)に感染し、合併症による難聴と診断された人が2015、16年の2年間で、少なくとも336人にのぼることが日本耳鼻咽喉科学会の調査でわかりました。
おたふく風邪は近年流行が続いており、難聴になる患者が出ています。実態を明らかにするため、全国の医療機関5565施設を対象に調査。回答を寄せた3536施設で難聴と診断された336人のうち、314人分について、最終的な聴力や治療内容など詳細な回答を得ました。

その結果、314人の約8割にあたる261人が日常生活にかなり支障をきたす高度難聴以上であり、両耳難聴となった14人中7人が人工内耳を埋め込む手術を受けていたということです。年代別では、5~10歳で計154人と特に多く、30代も47人と比較的多くいました。

おたふく風邪はムンプスウイルスがせきやくしゃみ、接触でうつる感染症。合併症には難聴のほか、無菌性髄膜炎などがあります。

同学会は「ワクチン接種で防げた可能性が高い」とし、予防接種を受けるよう呼びかけています。予防のためのワクチンは、1989年から風疹、はしか(麻疹)と合わせた三種混合(MMR)ワクチンとして定期接種になりましたが、副反応の無菌性髄膜炎が問題になり、93年に定期接種が中止になりました。現在は任意接種で、接種率は30~40%ほどとされています。
同学会は予防接種で防げた可能性があるとして、定期接種の対象とするよう国に求めているそうです。

朝日新聞、共同通信より引用