2017.8.10

「国民の祝日「山の日」」

 

日本は国土の7割が山地、「山に親しむ機会を持って、山の恵みに感謝する」という趣旨のもとに2016年8月11日から【国民の祝日】として制定された「山の日」。山の日は山岳5団体が中心となって「山の日制定協議会」が発足され、祝日制定への運動が行われました。国会議員や企業からの案を総合して、6月ではなく8月のお盆の時期に移されることになりました。お盆は故郷に帰る人が多く、そこで地元の山と接する機会があるためというのが、8月に決められた理由だそうです。11日に決まった理由は 多くの企業は例年8月13日からお盆休みに入ります。山の日を8月12日にすることでお盆休みと連休が増えるので好都合であった。12日にしようという案が最初は有力でしたが、 しかし、8月12日といえば日航ジャンボ機墜落事故 という痛ましい事故が起こった日。すでに30年以上が経過し、30代以下の方にとっては生まれる前なのでピンと来ないかもしれませんが、多くの人の記憶に未だ鮮明に残っている大変な出来事でした。 群馬県の山中に墜落したことや、その日は追悼の行事が行われることを考慮すると、その日を祝日とするのはふさわしくないということから、1日ずらして11日に最終決定されたそうです。
五百二十人が亡くなった日航ジャンボ機墜落事故から十二日で三十二年を迎えます。全国から多くの遺族が慰霊登山に訪れる命日を前に、現場となった上野村の「御巣鷹の尾根」では関係者が登山道の修復や整備で汗を流している。事故現場は尾根に衝突した機体が二つに折れたこともあり、急峻な尾根と谷側の広範囲に五百二十人の墓標が点在する。子どもやお年寄りの遺族も安全に慰霊登山をしてほしいと、尾根の管理人の黒沢完一さん(74)は毎年、冬季通行止めが解禁された四月末から登山道の整備を続けている。七月下旬からはほぼ休みなく山に入り、日航職員らと新たに土を盛って登山道を修復するなど汗を流しているそうです。尾根の中腹で多くの遺体が見つかった「スゲノ沢」に続く登山道には、赤や黄色など色鮮やかな風車の飾り付けがされ、犠牲者に子どもが多かったこともあり鎮魂を祈って毎年、命日を前に飾られる。黒沢さんだけでなく、事故の風化防止を訴える市民有志らでつくる「御巣鷹の事故を忘れない会」が新たに取り付けた分も合わせ、風車は約百九十個が設置されたそうです。今は遺族だけでなく風化させてはいけないと一般の人も慰霊登山をしているそうです。いろいろな考えや思いから制定された「山の日」。戦争もそうですが、風化させてはいない出来事を思う日としてもあるのだと思いました。各地では山にちなんだいろいろなイベント開催されるようです。涼しい山に避難するのもいいかもしれません。有意義な休日をお過ごしください。

産経新聞  東京新聞 豆知識プレスより