2017.8.3

「アスタキサンチンについて」

 

◎アスタキサンチンとは
自然界に存在する天然の赤い色素で鮭や、エビ、カニなどに多く含まれるカロテノイドの一種です。強い抗酸化作用を持つ成分とし最近注目されています。
動物はアスタキサンチンを自ら作ることはできません。第一生産者であるヘマトコッカスと呼ばれる海の藻類をオキアミなどの動物プランクトンが食べ、さらにエビ、カニ、魚類というように食物連鎖によってさまざまな生物の体に取り込まれています。従ってアスタキサンチンは植物由来のカロテノイドです。
鮭はもともとマスと同じ白身の魚ですが、アスタキサンチンを筋肉中にため込んでいるためにサーモンピンクになっているのです。産卵のために川を遡る鮭は、たくさんの酸素を取り込むので体内で絶えず活性酸素が発生し、筋肉に大きな負担がかかります。その活性酸素を消去するために筋肉中にたくさんのアスタキサンチンを備えていると考えられます。産卵の準備が始まるとメスは卵(イクラ)へアスタキサンチンを移行させます。紫外線の影響を受けやすい浅瀬に産み付けられる卵のDNAを守るためです。
◎アスタキサンチンの効果は優れた抗酸化作用です
抗酸化作用とは、活性酸素による、細胞の酸化を弱め、除去する働きを言います。
βカロテンの40倍、ビタミンEの500倍、コエンザイムQ10の800倍、ビタミンCの6000倍
と言われています。人間は呼吸をして酸素を取り込みエネルギーに変えています。肺で血液に取り込まれた酸素は全身の細胞に運ばれて消費し、二酸化炭素として戻ってきます。この酸素をエネルギーとして使った時に「活性酸素」ができます。活性酸素は酸化させる力が活発になっている酸素です。本来は体内に入った細菌などを殺菌する役割を持っています。適量であれば体には良いものなのですが、体内で大量に発生すると、その殺菌効果が強すぎて正常な細胞まで酸化させてダメージを与えてしまいます。活性酸素によって細胞が酸化すると老化が早まり、生活習慣病や、お肌のトラブルなどのさまざまな問題を引き起こす原因になります。
◎活性酸素が増える原因としては、激しい運動、紫外線、強いストレス、喫煙、食事の乱れなどです。
アスタキサンチンの大きな特徴は脳と目の中でも働くことが出来る数少ない抗酸化成分である、ということです。脳と目にはその入り口に「血液脳関門」、「血液網膜関門」という関所のようなものがあります。脳や目に必要な栄養素のみを選別するフィルターのようなシステムはとても厳重なものでビタミンCやE、βカロテンなどの抗酸化物質でさえ通れないのですが、アスタキサンチンはこの関所を通過する数少ない物質です。
◎アスタキサンチンの健康効果
眼精疲労の軽減や予防、脳の老化や病気の予防、血管の老化防止、動脈硬化の予防、
悪玉コレステロールの減少と善玉コレステロールの増加、筋肉疲労の予防と回復、ダイエット効果
メタボリックシンドローム予防、自律神経のバランスを整える
◎アスタキサンチンの美容効果
アンチエイジング、紫外線のダメージを防ぐ、肌の老化予防、シミ、シワ予防、美白、保湿効果、
◎アスタキサンチンの必要な摂取量は:1日3~6mg程度です
◎アスタキサンチンが多く含まれる食材は:紅鮭、イクラ、オキアミ、エビ、カニの殻、ヘマトコッカス藻、など加熱して赤くなる食材に入っています。マグロの赤身は加熱しても赤くならないのでアスタキサンチンは入っていません。今のところアスタキサンチン過剰摂取による副作用の報告はされていません。食品から多く摂取することは難しいので、疲労回復や美容効果のためにはサプリメントや化粧品の使用も効果的と思われます。

                     ヘルスケア未来研究所より