2017.6.19

「強毒「ヒアリ」100匹発見 神戸港、路面の亀裂部分に」

 

環境省は18日、強い毒を持つ外来種のアリ「ヒアリ」が神戸市の神戸港(ポートアイランド)のコンテナヤードで見つかったと発表しました。約100匹がアスファルト舗装の亀裂部分にいたとのことです。ヒアリは5月26日に兵庫県尼崎市で、中国からの貨物船で運ばれたコンテナ内部から国内初確認されており、環境省などが関連を調べています。

環境省によると、今回は、ヒアリが国内初確認されたコンテナが最初に荷揚げされた神戸港の一時保管場所から20~30メートルほど離れた複数箇所で発見されました。アスファルトが割れ、土が露出した部分に集団でいたのを16日に見つけ、18日にヒアリと確認。殺虫剤をまくなどの緊急防除をしました。女王アリや卵は確認できなかったとのことです。現場は立ち入りが規制されている区域で、住宅街から1キロ程度。

ヒアリは南米原産で赤茶色で体長が2・5~6ミリ。毒針で何度も刺すほど攻撃性が高く、人が刺されるとやけどのような激痛が走り、かゆみや動悸などが引き起こされ、アナフィラキシーショックで死亡する例もあります。一度定着すると根絶は難しく、米国や中国、オーストラリアなどに生息域が広がっています。日本は2005年に外来生物法に基づく特定外来生物に指定し、輸入や飼育を原則禁じるなどし、侵入を警戒してきました。

今回の発見を受けて神戸市は18日、久元喜造市長をトップとする対策本部を設置しました。ヒアリが見つかったコンテナヤード(14ヘクタール)を中心に、ポートアイランド全域での生息調査の実施を検討し、的確に市民へ情報提供していくことなどを確認しました。市はこの日朝から住民に注意を呼びかけるチラシをポートアイランド内の約7500戸に配布。久元市長は「専門的な知見を総動員して国と連携し、ヒアリの上陸を阻止して市民の安全を確保しないといけない」と呼びかけています。

(朝日新聞 引用)