2017.5.17

「爪の基礎知識」

爪は皮膚の付属器官です。手と足のそれぞれの指先を保護しています。また、爪・指それぞれの感覚が敏感であり、細かい作業をすることが可能です。指先の先端の部分では、骨は爪の中央の途中までしかなく、骨のない部分では、すべて爪が力を支えています。爪がないと小さなものをつかむこともできなくなります。 足の爪の役割は、手の爪と異なり、安定して体を支え、歩く時にも爪先に力を入れる働きを担っています。爪は、手と足の機能に欠かすことのできない大切な部分です。

爪は1枚のプレートに見えますが、表皮の角質層が積み重なり3層になっています。

見えている部分は既に死んだ細胞です。根元に隠れている生きた細胞が新陳代謝して死んだ細胞を押し上げています。

爪の伸びるスピードは、健康な成人で1日約0.1mmです。乳幼児や高齢者で0.07mmです。指によっても多少異なります。20歳頃に最大の伸びとなり、50代以降はスピードが遅くなります。また、手と足の爪では、足の爪の方が厚く、成長スピードは遅い。冬よりも夏の方が爪の伸びが早くなります。

爪は呼吸をしていません。爪の表面からは常に水分が蒸発しています。 ネイルカラーを塗っても、爪の水分の蒸発は妨げられませんが、付け爪・人工爪(アクリル樹脂)を装着すると、爪の水分の蒸発が妨げられ、自爪は弱くなります。

爪の主成分はケラチンという繊維タンパク質からできています。ケラチンはアミノ酸の一種であるシスチンの含有によって、軟ケラチンと硬ケラチンに分けられます。爪はシスチンを多く含んでいる硬ケラチンからできているために硬くなります。

爪は健康を見る鏡です。“爪でみるあなたの健康状態”  

爪の色 、つやを見れば、現在の健康状態がわかります。ピンク色でつやがあれば、病気がよくなってきている証拠だからです。また、爪には過去数カ月間の健康状態の記録が残っています。 爪の表面 に縦のすじは病気というわけではありません。老化現象なのです。しかし 、横じまができたり、深い溝ができるときは貧血などの血液の病気、糖尿病、亜鉛欠乏症などが疑われます。 色の変化 も診断に役立ちます。帯状に白く濁ればネフローゼ、黄褐色になれば手足のむくみを 起こす病気の兆候、黒褐色は肝臓病、血管の病気、ホルモンの病気等が考えられます。 茶色 の縦じまは爪にできるほくろで、そのまま放置してよいものもありますが、急に色が濃くなるときはほくろのがんのこともありますので、注意が必要です。 爪を健康にする食事栄養素主成分のケラチンというタンパク質をバランス良く、しっかり摂ることが重要です。特に注目したいのは、コラーゲン(魚や肉のよく動かされる部位、具体的には、魚の頭や尾の部分、鶏の手羽先、豚足、牛すね(すじ)肉などに多く含まれています。

 爪の基礎知識より参照