2017.04.09

「免疫力と運動」

皆さんは自分の平熱を知っていますか? 健康的な人の平熱は36.5~37.1度。現在、36度以下という「低体温」の人が増えています。「低体温」は免疫細胞と大きなかかわりがあり、放置するとさまざまな病気やがんまでも発症してしまうことがあります。

血液は私たちの体を構成する約60兆個もの細胞に栄養と酸素を送り届け、かわりに老廃物を持ち帰る働きをしています。その血液の中に、免疫機能を持った白血球が存在し、その白血球が体の中をめぐることで、体の中の異物をパトロールしているのです。つまり体温が下がると血流が悪くなり、免疫力も低下し、体内に異物を発見しても、素早く駆除してくれる白血球を集めにくくなり、ウイルスや細菌に負けて発病しやすくなってしまいます。 白血球は、これら外界からのウイルスや細菌だけでなく、がん細胞が体の中にできるたびに、免疫細胞が攻撃をして死滅させてくれています。 健康な人でもがん細胞は1日に5000個もできています。その1つでも免疫という監視システムをかいくぐって生き残ると、1個が2個、2個が4個、4個が8個と倍々ゲームのように増えていき、やがてはがんに姿をかえてしまうのです。健康を維持してくれる免疫力は体温が下がると低下することがわかっています。単純に計算すると、免疫力が30%低下すれば、1日に1500個近くのがん細胞が、免疫システムから見逃されて増殖していく可能性があります。体温が正常に保たれていれば、これらの免疫システムが正常に働いてくれて、健康が保たれているということになります。まずは、自分の平熱を知り、低体温を克服して、血流をよくしておくことが、免疫力向上につながるのです。

 

自分の平熱を知るには、3~4日間、朝・昼・夜の体温を測って平均を出します。  50年前の日本人の平均は36.89度。現在の平均は36.20度です。低体温の原因は何なのでしょうか。低体温の原因の9割は筋肉量の低下と考えられます。 50年前と今では日本人の体温の平均は0.7度近く下がっています。その理由の1つとして、現在のライフスタイルが、明らかな運動不足になっていることが挙げられます。家事ひとつをとっても、50年前はすべて手作業で掃除、洗濯、料理などを行い、その上で畑仕事をするなど、日常的な運動量が大変多かったのです。それに比べ、現代の生活では、乗り物や家電の充実によって日常生活における運動量は低下していす。運動量の低下にともなって、筋肉量が減少します。筋肉は人体最大の熱産生器官ですから、筋肉が少なくなると、体温も下がり、基礎代謝も下がります。基礎代謝が落ちれば、カロリーが消費されにくくなり、内臓脂肪が増加してしまうのです。この内臓脂肪組織から、20種類以上の悪玉ホルモン(アディポサイトカイン)が分泌されていることがわかっています。これらが血管に炎症をもたらすことにより血栓を作りやすくなり、インスリンの働きを弱めてしまうことにより、がんや高血圧、糖尿病の元凶となることが解明されています。加齢とともに基礎代謝は落ちていきますから、筋肉量を増やすことはあらゆる病気対策に必要なのです。

日常生活の中で筋肉量を増やすには、やはり運動、入浴 スクワット、白湯を飲む、ストレスの軽減のためにGABA(ギャバ)を多く含む食品;玄米、ジャガイモ トマト、カボチャを多くとり体を冷やさないような対策が必要となってきます。体を動かすと、基礎代謝が上がり、太りにくい体に、ストレスに強く、病気になりにくい健康な体に、新陳代謝が活発になり細胞レベルから若々しくアンチエイジング、エネルギーを消費する体になり、内臓脂肪の解消につながりメタボ対策に、血行がよくなり血液量が増え、細胞に十分な酸素と栄養が供給される、骨そしょう症の予防に、腸のぜん動運動が活発になり、便秘や大腸がんの予防に、脳の血行がよくなり、記憶力低下や認知症の予防になります。ぜひ体温をあげて免疫力を高めていける生活をしていきましょう。

 

引用:体の豆辞典より引用