梅雨になると植物にとってはよい季節かもしれませんが、人間にとっては、いろいろな病気が発症しやすくなる季節。私たちの体は多くの水分で成り立っているので、外気の湿度が高くなると、水を処理する機能が低下している人は、体調が悪くなります。しかし、体調不良を訴えるのはこのように体の機能が弱っている人だけではありません。梅雨は、どのような人でも体の中の水分を発散させにくくなり、いわゆる漢方でいわれている「水毒」がたまりやすい時期で、免疫力が低下しやすいとされ、このため梅雨独特の体の不調を訴える人が多いのです。具体的な症状をあげると、体がだるい(倦怠感)、食欲不振、下痢、むくみ、神経痛、リウマチ、喘息(ぜんそく)、皮膚病(アトピー、水虫)の悪化などです。梅雨時に症状を悪化しやすい人は、日頃から胃腸の機能が弱く、冷え症であまり食べないけれども、水太りしやすく、汗をよくかき、また肝機能が悪く、いつも疲れやすい人に多く見られるようです。

梅雨の時期のかぜ

梅雨時のかぜの症状は、体が重だるく、食欲が低下したり軟便や下痢気味になったりと胃腸の機能低下を伴う反面、高熱が出ることが少ないのが特徴。熱は微熱程度がほとんどで、午後から夜にかけて高くなる傾向です。頭痛や肩の痛みなどが伴う場合も、痛み方は重だるく、鈍い痛みや帽子をかぶったような感じです。

食中毒
食中毒というと、一般的にレストランや旅館などの飲食店での食事が原因と思われがちですが、毎日食べている家庭の食事でも発生しており、発生する危険性がたくさん潜んでいます。ただ、家庭での発生では症状が軽かったり、発症する人が1人や2人のケースが多いことから、かぜや寝冷えなどと勘違いされがちで、食中毒とは気づかれずに重症になってしまうことがあります。
食中毒を起こす菌はサルモネラ菌、腸管出血性大腸菌O-157、腸炎ビブリオ菌、ブドウ球菌、ボツリヌス菌、毒素原性大腸菌などが挙げられます。ブドウ球菌、ボツリヌス菌を除けば、多くの細菌は食品を加熱することによって死滅しますので、食中毒の予防が可能です。
サルモネラ菌のように、食品の摂取から下痢、発熱などの症状が出るまでに6~8時間以上もかかる感染型と、ボツリヌス菌のように食品の摂取から数時間以内に激しい嘔吐(おうと)を伴う症状が出る毒素型があります。
食中毒予防の3原則

【清潔】

細菌をつけないために=調理する人も、食べる人もよく手を洗いましょう。まな板、布巾は常に清潔に。

【迅速】

細菌が増えるための時間を与えないために=生ものは買ってからできるだけ早く調理し、調理後は早く食べましょう。置いておく時も室温に置かずラップをして冷蔵庫に入れましょう。冷蔵庫を過信するのをやめましょう。扉を開けている時間は短く。

【加熱と冷却】

温度条件を与えないために=加熱する食品は、中心部まで熱が通るように充分加熱しましょう。保存する場合は5度以下で。             (NIPRO  すこやかネットより引用)