寝冷えとは、主に夏、眠っている間に体を冷やして体調を崩してしまうことです。汗っかきで寝相の悪い子どもや赤ちゃんに使われることの多い言葉ですが、実は大人でも油断すると、寝冷えをしてしまいます。原因の一つはエアコンの普及による部屋の冷やし過ぎです。もう一つは、ストレス・睡眠不足・運動不足・食生活といった生活習慣が原因で、自律神経の働きが低下しているためです。こうなると大人でも体温調節がうまくいかなくなっていきます。
人は寝ている間に一晩でコップ1杯の汗をかくといわれています。
それが夏になると、外気温の影響で就寝中の発汗量は必然的に増えます。多い人では一晩に1リットルもの汗をかくことがあるそうです。寝入りばなに汗をかきやすいのは、就寝前に高くなった深部体温(体の中心部分の体温のこと)を低下させるためです。深部体温が下がることによりスムーズな眠りが促され、体全体が十分に休息することができます。体温は、就寝すると急激に低下し始め4時間ほどでもっとも下がります。外気温がもっとも低くなる時間帯に低体温の状態にあるため、大人でも寝冷えをひきおこしやすくなるのです。
寝冷えの代表的な症状は、下痢や腹痛です。しかし体を冷やしてしまうことによる不調は、それだけにとどまりません。冷えを放置すると、さまざまな慢性的な体調不良につながる可能性があります。
冷えが原因と考えられる主な症状には、
① 腹痛・下痢② 頭痛・発熱・咳・のどの痛み③ 筋肉のこわばりによる肩こり・腰痛
④ 血流が滞ることによる関節痛・末端冷え症・手足のしびれ
⑤ (女性の場合)子宮を冷やすことによる生理痛・ホルモンバランスの崩れ・月経不順
⑥ 疲労感が抜けない       などがあります。
寝冷えをしないためには、就寝時の環境を整えて体を冷やさないようにすること。そして、内側からも体を温めることで冷えにくい体を作ることが大事です。快調・快眠を維持するために、日頃から気をつけていきましょう。