新型コロナウイルスにより、川崎病が起こっているのではないかという報道が目立つようになっています。

川崎病とは

川崎病は、乳幼児によく診られ発熱を伴って全身の血管炎が起こる『原因不明の』病気です。
症状がはっきりせず、診断が難しい場合もあります。
発熱、眼球結膜(目の白い箇所)の充血、くちびるや口の中が赤くなる、発疹、手足の先の変化(赤くなったり腫れたりする)、首のリンパ節が腫れる、といった症状でみていきます。

『新型コロナが関係(しているかもしれない)重症の川崎病(のような)』病気は、『川崎病ショック症候群(に似た状態)』を指しているようです。
新型コロナと『(典型的な)川崎病』に関しては、すでに生後6ケ月のお子さんの報告があります。
症状は典型的で、一般的な治療であるガンマグロブリンとアスピリンで改善されています。

『川崎病ショック症候群』とは

『川崎病ショック症候群』とは、川崎病のなかでの重症型です。
川崎病は、大元に『血管の炎症』がある病気です。
そして、細い血管の炎症が原因(かもしれない)皮膚症状が、新型コロナにかかった方(特に若い患者)で出現するかもしれないという報告があります。
また、心臓の筋肉のダメージを示す血液の中のトロポニンという値が高くなると新型コロナで亡くなる方が多くなるかもしれないことを示す報告もあります。

新型コロナのほうが、川崎病ショック症候群をおこしやすい『可能性』はあるかもしれません。しかし、まだまだ状況証拠のみともいえます。
すくなくとも日本の医療の前線では、(新型コロナ関係なく)川崎病が大幅に増えているとは感じていませんし、海外で報道されているような、『川崎病ショック症候群に似た重症な子ども』は多くなっているとはいえないと思われます。

(小児アレルギー科医の備忘録より 引用)