基本再生産数ってなに?
基本再生産数は「RO」の記号で表されます。インフルエンザの基本再生産数はおおよそ 1~3、麻疹ではおおよそ 12~18 と報告されています。

実効再生産数ってなに? すでに感染が広がっている状況において、1 人の感染者が次に平均で何人にうつすかを示 す指標です。実効再生産数は「Rt」の記号で表されます。感染拡大を防ぐ努力が行われて いたり、すでに免疫を獲得している人がいたりする集団の中で、平均で何人にうつるかを導 き出す指標なので、時間と共に数値も変化していきます。実施した感染症対策などの効果の 評価や、感染状況の未来の動向を予測するための要素の一つとして利用されています。

数値はどう考えればいいの?
1 より大きいほど感染力が強く、感染が広がる状況と考えて下さい。例えばRt=3 の場 合、これは「1 人の感染者から、次に平均で3人にうつる」という意味になります。Rt= 3 の状態がずっと続いたりすると、うつった 3 人から次は 9 人にうつり、また次は 27 人・・・ と、ねずみ算式に感染者がふえていくことになります。

数値が小さい場合はどうなるの?
1 より小さいほど感染力が弱く、感染が収束していく状況になります。例えばRt=0.5 の場合を考えてみます。「1 人の感染者から、次に平均で 0.5 人にうつる」というのがイメー ジしづらければ、「2 人の感染者から、次に平均で 1 人にうつる」と考えてください。この 場合、次は 0.25 人(4 人の感染者から、平均で 1 人にうつる)、そのまた次は 0.125 人(8 人の感染者から、平均で 1 人にうつる)と、だんだん感染しにくくなっていることが分るで しょう。つまり、1 より小さいほど感染者の割合も徐々に減っていくのです。

新型コロナの実効生産数って、現状どうなっているの?
北海道大学院医学研究院・西浦博教授の監修のもとに、東洋経済新報社が新型コロナの国 内の実効再生産数を公開しています。これを見ると、5 月 17 日時点ではRt=0.66 だった 数値が 6 月 17 日時点でRt=1.26、7 月 4 日時点でRt=1.84 と、いったん収束へ向かっ ていたものの、また拡大しつつある状況になっていることが推測されます。 また、この数値は過去の状況はどうだったのか把握することにも役に立ちます。緊急事態宣 言が発出された後の状況を見ると、4 月 7 日時点でRt=2.37 だった数値が、4 月後半には Rt=1 以下まで下がっています。外出自粛などの対策の効果が数値に表れているといえま す。
感染者の動向に加えて、実行再生産数がどのように変化しているか見ることで、より多角的 にコロナの感染状況を考えることができるでしょう。

(コロナのデータを把握するより引用)