昨日5月12日、5月の風物詩である安政遠足侍マラソンが開かれました。近年では、全国で市民マラソン大会が数多く開催され、多くの方が参加し、生涯スポーツのひとつとして定着してきました。しかし一方で、残念ながらレース中の心肺停止例が発生している大会が存在するのも事実です。また、レース中に限らず無理なトレーニングを行い、ケガをしてしまい、本番の大会に出られなくなるケースもあります。マラソンの楽しさを享受するには安全性も忘れてはいけません。
そのような背景があり、市民マラソン大会を組織する立場から公益財団法人日本陸上競技連盟医事委員会と、日本体力医学会ガイドライン検討委員会が2013年、共同で「マラソンに取り組む市民ランナーの安全10か条」を策定・発表しました。市民ランナーが、レース中に心肺停止などを起こさず安全に楽しく完走できることを支援するため、ランナー自身が自己責任のもとにどのような健康管理をおこなうか、どのようにトレーニングをおこなうか、レース当日にどのように注意すべきか、についてまとめたものです。「自らの健康管理とトレーニング管理ができる人がマラソンに参加することができる」というのがメッセージの主旨です。下記に10か条の見出しをご紹介しますが、1か条ごとに、具体的で詳細な説明も補足されています。多くの市民マラソン大会の主催者が、公式ホームページにこの10ケ条を掲載しています。マラソンに限らず、これから健康のために運動を始めようと思っている方たちにも通じる心得ですので、参考にしていただきたいと思います。

健康管理について
1. 普段から十分な栄養と睡眠をとりましょう。
2. 喫煙習慣をやめましょう。
3. メディカルチェックを毎年受けましょう。
4. 生活習慣病がある方は、かかりつけ医とよく相談しましょう。

レース完走に向けたトレーニング計画
5. 計画的なトレーニングをしましょう。
6. 気温、湿度に適したウェアの着用と、適切な水分補給をしましょう。
7. 胸部不快感、胸痛、冷や汗、フラツキなどがあれば、すぐに走るのを中断しましょう。
8. 足、膝、腰などに痛みがあれば、早めに対応しましょう。

大会参加に向けての心構え
9. 完走する見通しや体調に不安があれば、やめる勇気を持ちましょう。
10. 心肺蘇生法を身につけましょう。