2017.7.22

「カフェインの脳興奮作用」

コーヒーに含まれるカフェインは、脳を興奮させる作用があります。脳の神経細胞は、神経伝達物質を通じ、様々なシグナルを伝え合っています。神経細胞表面のアデノシン受容体という場所にアデノシンとう化学物質が結合すると、グルタミン酸やドーパミンといった興奮性神経伝達物質の放出が抑えられ、神経細胞の活動が低下します。カフェインはアデノシンと構造が似ており、アデノシンが結合するはずの受容体に取り付いて作用を阻害します。その結果、大量の興奮性神経伝達物質が先の神経細胞へ大量放出され、脳を興奮させることになります。
カフェインが含まれるのはコーヒー豆だけではありません。緑茶や紅茶、ウーロン茶にも、量は異なるがそれぞれカフェインが含まれています。カフェインは、脳を興奮させ、集中力を維持し、疲労感を軽減させる効能があります。しかし、取りすぎると、めまいや心拍数の増加、不眠症などの副作用も生じさせます。安全性に問題がないカフェインの摂取量については、大人では1日400㎎までとされています。妊婦の場合、胎児の発育に影響する恐れもあることから、100㎎までにしておきましょう。大人では小さめのコーヒーカップなら6杯、マグカップなら2杯前後です。妊婦ではひかえることが望ましいのですが、コーヒーカップなら2杯を上限にしましょう。

嗜好飲料100ml当たりのカフェインの含有量はコーヒー60mg、紅茶30mg、煎茶・ほうじ茶・ウーロン茶20mgまたエナジードリンクや眠気覚ましドリンクには100ml当たり30~300mg程度のカフインが入っています。解熱鎮痛剤や風邪薬にもカフェインが含まれている物もあります。薬の服用時には嗜好飲料は控えめにしましょう。

2017年7月6日 読売新聞より引用