2019.02.09

「第一回ACP講演会を受講して」             

  • 講演
  • その1:演題「アドバンス・ケア・プランニングの実践的取組」

穏やかな最後安らかな旅立ちのために

講師:公立富岡総合病院院長 佐藤尚文先生

 

厚生労働省→患者の意思を尊重した人生の最終段階における医療体制について

事業実施施設【公立富岡総合病院】

 

H24内閣府の調査 団塊の世代3517人から回答

「万一、あなたが治る見込みがない病気になった場合 延命治療を望みますか」

(望む:2.6%)(望まない:94.3%)(無回答1.6%)

国連幸福度調査の順位(GDP,健康寿命、社会保険、選択の自由度、寛容度、汚職の無さ)

1位:フィンランド 2位:ノルウェー 日本:54位

死の質国別ランキング:1位:英国 2位:オーストラリア 日本:14位

医療費:年間(70~74歳:91.9万円)(75~79歳:77.7万円)(80~84歳:92.2万円)

(85~90歳:102.6万円)(90~94歳:109.3万円(95~99歳116.8万円)

 

 

ほとんどの人が穏やかな最期安らかな旅立ちを望んでいる。

しかし穏やかな最期安らかな旅立ちを阻害する要因

1、医療への過剰な期待  2、死の受容・死生観の欠如

 

◎穏やかに苦痛なく人に迷惑をかけずに旅立ちたい

(子供たち、医療者はこの事を理解すれば良い)

自分の旅立ちを考えた時・・・

○大切な人に想いを伝えよう  ACP (人生会議)

お任せの医療→患者が決める医療→患者と医療者の合意の医療

 

□点滴を希望しますか?□胃瘻希望しますか?□気管内挿管を希望しますか?

等チェク表を埋める作業がACPの本質ではない。

 

ACP:“私はこう生きてこう逝きたい”を支える

○人は誰でも穏やかな最期を迎える権利がある

○残されたものは旅立つ人を安らかに送る義務がある

 

その2:演題 現場でのACPの取り組み~明日からできる10の実践

講師:群馬大学大学院保健学研究科教授 内田陽子先生

 

ACPの愛称は「人生会議」と決定(厚生労働相)

・選択理由:意味が明確な単語の組み合わせにより、日常会話に浸透していく事が期待できる。・家族等・信頼できる人たちと輪を囲んで話し合うイメージが湧く。

(ただACPは絶対ではない・柔軟な対応・判断)

・そもそもどんな死に方をするかそのときにならないとわからない

・死をつくりこむことより、楽しく生きることにエネルギーを注ぐ

・死後の指示が細かいと残る人がかえって困る

やはり助かる遺言状

 

意思決定カンファレンスでは多方面から考える

(医学的適応、QOL、患者の意向、周囲の状況)

医師に予後をその都度説明してもらう多職種も今後の予測を共有

→最後をどこで迎えるのかの意思決定にはイメージできるように図にする

(・病院で死ぬ場合・施設で死ぬ場合・自宅で死ぬ場合)

希望死亡場所での死亡実現には終末期全過程を通じてその都度死亡場所の確認が必要

 

人生を振り返りの重要性(意思決定への対話技術)

日頃から関わりケアの場面でその人の人生を聞きましょう

出来るだけその人の人生を回想し、心の中を推測することが大切。繰り返しのなかにその人の核(意思)がある。

 

○高齢者の終末期の意思把握としての回想の可能性

高齢者はごく自然に自分の人生の終りについて語る。食べられなくなってときに死が近いサインとして受け止める、最後まで「ひと」とのつながりを求める。

○認知症の人の意思決定を支援するガイドライン

認知機能に応じて理解できるように説明

 

“限界も知り、反省はするが責めたりしない事例を積み重ねていく”

 

 

2部パネルディスカッション

テーマ「看取りに最善はあるか」

自然に亡くなることが最善だと思います

その人のとって最善とは何かチームで話し合う

本人と家族の価値観が違う。両者を同じ方向に向かって頂くことが大変です。