2018.12.18

「骨粗鬆症治療薬について」

骨粗鬆症の薬は大きく3つに分類されます。

(1) 骨吸収抑制薬

骨吸収がゆるやかになると、骨形成が追いついて新しい骨が骨の吸収された部位にきちんと埋め込まれ、骨密度の高い骨が出来上がります。 女性ホルモン製剤(エストロゲン)、ビスホスホネート製剤、SERM(塩酸ラロキシフェン、バゼドキシフェン酢酸塩)、カルシトニン製剤、デノスマブ

(2) 骨形成促進薬

活性型ビタミンD3製剤、ビタミンK2製剤、テリパラチド(副甲状腺ホルモン)

(3) その他

カルシウム製剤

 

・ビスホスホネート製剤:ボナロン、ベネット、アクトネル、リカルボン、ボノテオ、ボンビバ等

破骨細胞に作用し、過剰な骨吸収を抑えることで、骨密度を増やす作用があります。 経口剤、注射剤などがあります。服用の仕方として4週間に1回、1週間に1回、1日に1回などがあります。

・デノスマブ(抗ランクル抗体薬):プラリア

破骨細胞の形成や活性化に関わるたんぱく質(LANKリガンド)に作用して、骨吸収を抑制します。6ヵ月に1回の皮下注射のため、継続しやすいというメリットがあります。

・カルシウム製剤:アスパラ-CA等

カルシウムは骨をつくる主要な成分であり、欠かせないミネラルです。骨粗鬆症患者さんでは食事の摂取と薬の摂取量をあわせて1000mgが望ましいとされています。

・活性型ビタミンD3製剤:アルファロール、ワンアルファ、エディロール等

食事で摂取したカルシウムの腸管からの吸収を増す働きがあります。また、骨形成と骨吸収のバランスも調整します。

・SERM(サーム):エビスタ、ビビアント

骨に対しては、エストロゲンと似た作用で骨密度を増加させますが、骨以外の臓器(乳房や子宮など)には影響を与えません。

・テリパラチド(副甲状腺ホルモン):テリボン、フォルテオ

新しい骨をつくる骨芽細胞を活性化させ、骨強度を高めます。骨密度が非常に低いなど骨折リスクが高い患者さんに適した薬です。現在、1日1回患者さんが自分で注射をする皮下注射剤と、週1回医療機関で皮下注射してもらうタイプとがあります。

・カルシトニン製剤(注射薬):エルシトニン

骨吸収を抑制する注射薬ですが、強い鎮痛作用も認められています。骨粗鬆症に伴う背中や腰の痛みに対して用いられます。

 

TEIJIN MEDICAL WEB、iihone他より引用