2018.12.04

「掌蹠嚢胞症」

掌蹠膿疱症は手のひらや、足の裏に無菌性の膿疱が多く発生する慢性の皮膚疾患です。水虫にとても似ていますが、水虫がかゆみが強いのに比べ、掌蹠膿疱症はかゆみが軽いか、かゆみがないことが多いです。

 

症状としては、手のひらや足の裏にかゆみを感じ、2~3日の間に小さな水疱が出て、だんだん白~黄色の膿疱に変わっていきます。膿疱は1つではなく、複数が群がり集まっているように見えます。また、皮膚が赤くなり、角質が異常に厚くなってガサガサし、かさぶたのようにはがれ落ちていきます。人によっては、手のひらや足の裏だけでなく、足の甲、膝、下腿、おしり、肘などの皮膚に、症状(膿疱、赤いツブツブの斑点など)が現れることもあります。患者の約3割は関節炎を起こし、胸骨、肋骨、鎖骨や関節などに痛みを伴うこともあります。比較的、高齢者で女性に多く見られます。

 

原因不明な場合が多いですが、扁桃腺や歯周組織、歯根において慢性的に細菌が感染していること、歯科金属に対するアレルギーが原因と言われています。また喫煙は大きな悪化因子となるのでできるだけ控えるようにしましょう。

治療法としては、皮膚の症状が出ている部分にステロイド外用薬やビタミンD3外用薬、サリチル酸ワセリン、内服薬には、抗菌薬、エトレチナート(ビタミンA誘導体)や免疫抑制薬(シクロスポリン)などがあります。

 

掌蹠膿疱症は良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。個人差があるので、1年ですっかり良くなる人もいれば、10年経っても症状がおさまらないような人もいます。長期間にわたって付き合っていく病気ですから、自分に合った治療法やケア方法を見つけて、できるだけ快適に毎日を過ごせるように工夫していきましょう。

ヘルスケア大学より引用