2018.12.3

「内視鏡検査「おえっ」軽減 吐き気8割減の新器具開発」

食道や胃など内視鏡カメラ(胃カメラ)で検査する際、のどを通るときに催す嫌な吐き気の軽減につながるマウスピースを、鳥取大医学部付属病院とゴム製品名メーカーが共同で開発した。奥歯でもかむ馬蹄(ばてい)形にしたことで、前歯だけで噛む従来の筒型マウスと比べて安定し舌の位置も下がって、のどが広がるため不快感が減らせるという。

 

開発に関わった耳鼻咽喉科医でのどの動きに詳しい藤原和典准教授によると、不快感は内視鏡が舌やのどの壁に触れることで反射的におきる。筒形は前歯だけのため不安定で、緊張感からのどの奥も狭くなり、検査が難しくなるという。外れると歯で内視鏡が傷つくこともあった。消化器内科医から「検査が楽にならないか」との相談が開発のきっかけになった。

 

新製品は適度なかみ心地がある軟質の樹脂素材を採用した。歯全体でかむことで安定し、のどの奥も広がることで内視鏡が触れにくくなって不快感が減らせるという。

 

10人を対象にした実験では挿入時の吐き気の回数は筒形よりも8割以上減り、検査を受ける際の苦痛や内視鏡医のストレスも改善される結果が出た。少しでも楽に検査を受けられることで病気の早期発見と治療につなげられるという。

 

朝日新聞より