2018.10.19

「風疹猛威 患者1100人 」 (上毛新聞記載)

首都圏を中心に風疹の流行が拡大し、国立感染症研究所が16日に発表した集計で、今年の累積患者数が7日現在で昨年1年間の12倍近い1103人となった。患者数の増加は東京都(45人)、神奈川県(21人)、千葉県(20人)と続いた。

妊娠20週目頃までにウイルスに感染すると胎児も感染して「先天性風疹症候群(CRS)」を発症することが懸念される。代表的な症状は先天性の心臓病、難聴、白内障とされている。

厚生労働省は「大規模な流行になるかは引き続き動向を注視する必要がある」と述べた。

妊娠を希望する女性は抗体検査を受け、抗体陰性の場合はワクチン接種を受けるよう周知徹底する考えを示した。

尚、抗体がある人が再度、ワクチン接種しても害は有りません。抗体検査をせずに接種することもできます。

風疹(3日はしか)と麻疹(はしか)の見分け方(ヘルスケア大学)

風疹と麻疹は子供の頃に罹り易い感染症で発疹と発熱が出て混同され易い病気です。しかし、風疹と麻疹は原因となるウイルスが全く違い、風疹、麻疹の抗体(免疫)を獲得するには風疹、麻疹に感染するか、2種混合ワクチンを接種する必要があります。

 

風疹の原因は風疹ウイルスで飛沫感染、接触感染です。感染力はさほど強く無く、感染しても15~30%の人は症状が出ない不顕性感染の時もあります。感染後14~21日ほどの潜伏期間を経て、耳の後ろや後頭部などのリンパ節が腫れる。その後、淡いピンク色の小さい発疹が体中に現れた後、約半数は発熱(38度位)が見られます。症状(発疹、発熱)は3日程で回復するがリンパ節の腫れは少し長引きます。

風疹は怖い病気では有りませんがCRSの発症の可能性が有り、妊娠を望む女性は妊娠2か月前までにワクチン接種を行う。妊娠中に抗体不十分と判定されたら人ごみは避け、妊婦さんのパートナーや家族の人たちも予防接種を受けることが大切です。

 

麻疹の原因は麻疹ウイルスで空気感染、飛沫感染や様々な感染経路を持ち、感染力は非常に強く、90%以上が発病すると言われています。感染後8~18日ほどの潜伏期間を経て発熱(38度位)、くしゃみ、鼻水などの風邪に似た症状と目ヤニ、目の充血、口の中に小さな白い斑点(コプリック斑)が見られることもあります。その後、一旦熱は下がりますが、すぐに39度位の高熱となり、それとともに鮮やかな赤い小さな発疹が体中に現れます。症状は10日~14日ほどで治まります。

解熱後3日位まで感染力がありますので集団生活は控え、家で安静に過ごしましょう。