2018.07.26

「アタマジラミ症」

 

アタマジラミはヒトにのみ寄生する3種のシラミの1種で、頭髪に寄生します。卵から7日程度で孵化し、1~2週間で幼虫から3ミリ程度の成虫となります。このシラミの成虫が頭皮にかみついて吸血することでかゆみが生じます。基本的には虫刺されといえますが、頭髪に潜んで何度でも吸血するところが、蚊などの一過性の虫刺されとは違うところです。

 

主な感染経路は、頭と頭の直接接触です。しかし、成虫はヒトから離れても約72時間生存しますので、枕を含めた寝具、ブラシやタオル、帽子、マフラー、櫛などを介して間接的にも感染します。

 

水泳やお風呂ですが、プールや浴槽の水では感染しないとされているので問題ありません。しかし、間接的な感染を予防するために、タオル、櫛、水泳帽などの共有は避けましょう。

 

次に洗濯に関してです。通常の洗濯では殺虫効果はなく、55度以上の熱風やお湯に5分間さらされると、成虫、卵ともに死滅します。衣類、シーツ、枕カバーなどは洗濯後に乾燥機にかけるか、乾燥機がない場合は3日以上使用せずに置いてから使うのがよいでしょう(72時間絶食させれば死滅するため)。

 

アタマジラミ症の治療は、人に直接使用が認められているアタマジラミ駆除薬として、低毒性のフェノトリンを0.4%含有した「スミスリンシャンプー」があります。また、アタマジラミの卵はセメントの様な物質で髪の毛にしっかりと付着しているので、幼虫になって出ていった中身のない卵の殻、死んでしまった卵がいつまでも付いています。そのため、目の細かい梳き櫛で梳いて物理的に除去します。

 

福井新聞より引用