2018.6.19

「男子プロゴルフ界の人気低迷が止まらない」  

片山晋呉の不適切な振る舞いが男子ゴルフ界を揺るがす騒動に発展した。

問題が起きたのは5月31日開幕「日本ゴルフツアー選手権森ビルカップ」の前日に行われたプロアマ戦のイベント。有名なプロ1人とアマチュア3人が1組になって、チームとしてスコアを競うといった楽しみ優先のコンペである。

 

参加者からすればトッププロとラウンドし直接会話ができるのは大きな魅力だし、アドバイスしてもらえる期待感もある。プロとしても大会のスポンサー感謝の意を表すのは当然の務めであり、自分のフアンをつくるのに絶好の機会でもある。日当も5万円ほど出る。だから、プロはこの日だけはホスト役に徹して和気あいあいと参加者に気分良くラウンドするのがプロアマ戦なのだ。

 

ところが片山プロはラウンド中に「前が詰まっている」と言って次のホールに移動せず、翌日からの競技に備えグリーン傾斜や転がりをチェックし続け、招待客を無視する態度が続き招待客は激怒して帰ってしまった。

 

男子プロゴルフは1970年から80年代にかけて青木功、尾崎将司、中島常幸の人気、実力を備えた「AON全盛期」からバブル崩壊とともに衰退した。その後

丸山茂樹、田中秀道らの人気ゴルファー現れたがゴルフ中継の視聴率を回復させるまでには至らず、1982年年間大会数46から2007年には年間大会数24に減ってしまった。近年では石川遼、松山英樹らの若きスターが人気回復の起爆剤になると思われていたが、ともに主戦場を米ツアー移したため低迷の流れを止めることはできなかった。

 

対症的に女子プロゴルフツアーは人気を維持している。年間大会数も増え、現在は男子より12試合多い38だ。日本で活躍する美形韓国ゴルファーが登場した効果もあるが日本プロゴルフ協会が力を入れた。選手への人間性を高める教育(自分たちを支えるフアンやスポンサーを第1に考えプレーする)で2000年より地道に取り組んできたのが実を結んだ。

 

男子プロゴルフ界(特に片山選手)には「フアンやスポンサーが自分たちを支えている」という感覚が生まれないまま今日に来たのかも知れない。勝てば賞金がもらえるとしか考えず。自分たちに支払われる高額な契約金や年俸がフアンの支払う入場料、グッズ代や人気を反映した放映権料であることを肝に銘じて頂きたい。

 

朝日新聞より引用