2018.05.11

「こころとからだに作用する緑茶の健康効果」

立春から数えて八十八夜にあたる5月初旬は春から夏へと季節が移り変わる頃。この頃に摘まれたお茶が「新茶」で香り高いことで人気があります。何となく健康に良いと思われている緑茶が最近あらためて見直されてきています。

薬効成分と栄養素が生活習慣病予防に効果
緑茶には薬効成分があります。そのひとつ「カテキン」はポリフェノールの一種で、多くの効能をもっています。血圧や血糖、悪玉コレステロールの上昇を抑えてくれるので、生活習慣病の予防効果があると言われています。また、ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素を含んでいます。カリウムも多いので、血圧コントロールにもよいでしょう。一杯に含まれる量は限られていますが、茶葉を粉末にして飲む抹茶なら、幅広い栄養素を多くとることができます。

緑茶に特有のテアニンが、メンタルヘルスに効果的
以前から、緑茶にはリラックス効果があるといわれてきました。最近の研究で、紅茶や烏龍茶にはない、緑茶に特有の成分「テアニン」が、さまざまな効能をもつことがわかってきています。まず、脳や神経細胞の興奮を抑えて、睡眠を改善する作用があります。また、脳内で作用して、意欲を改善する効果があることも、多くの研究で示されています。
テアニンは、グルタミン酸というアミノ酸と似た化学構造をしています。脳の多くの神経細胞はグルタミン酸を神経伝達物質としているので、テアニンが脳にさまざまな作用をもつのも不思議ではありません。

緑茶は「からだの健康」と「ここの健康」に良いとてもすぐれたものです。特にテアニンは「こころの健康」に効く妙薬であることが分かってきています。テアニンは、緑茶が直射日光に当たらないように栽培された玉露などに多く含まれます。また、太陽にさらされていない新茶もテアニンを多く含みます。新茶が出まわる季節です。
健康のためにも一服して、ほっと一息ついてみてはいかがでしょうか。

全国健康保険協会より引用