2018.02.14

「尿路結石」

尿路結石は、腎臓や尿管などの上部尿路や膀胱に石が形成される病気です。結石は、尿管や膀胱などにつまって激しい痛みを起こし、血尿が出たりすることがあります。この病気は男性に多くみられますが、更年期をすぎた女性の罹患率も高く、さらに最近は若い女性にも増えています。結石ができた場所によって腎臓結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石などと呼ばれています。尿中の結石を形成する成分(ミネラル)の濃度が何らかの原因で濃い状態になり、腎臓に結晶が生じ、その結晶が成長して結石となると考えられています。結石の約8割がカルシウムを含んでおり、大部分がシュウ酸カルシウムの石であることが知られています。その他にリン酸カルシウム塩、尿酸塩なども結石を形成します。

症状
側背部や腰、わきの激痛・結石の場所や大きさによっては鈍痛・血尿、嘔吐、冷や汗、顔面蒼白、血圧低下・膀胱にある場合には頻尿や残尿感などがあります。また一度発作を起こすと再発する場合が多くみられます。
結石の中でも、腎臓結石は無症状な場合が多く、結石の大きさが5㎜以下の小さい場合や、症状がない場合は経過観察されます。

検査
尿検査、X線撮影、超音波断層法、CTスキャンなどが行われます。

治療
保存的(薬物)治療
10㎜以下の小さい結石の場合には、水分を多量にとり、尿管の蠕動運動を活発にさせることで結石の下降を促します。尿酸結石の場合には、尿をアルカリ性に変える薬などを投与し、結石を溶かす治療を行ないます。

外科的治療
尿路結石(腎・尿管)の治療には身体の中にある石を細かく砕いて流れやすくする方法があります。
・ 体外衝撃波砕石術 ・経尿道的砕石術 ・経皮的腎砕石術

予防
尿路結石は再発しやすい病気です。食事など生活習慣の改善で予防と再発防止が可能です。水分摂取:食事以外に毎日2リットルの水を飲むと、結石をつくりにくくなるといわれています。シュウ酸摂取量の抑制:ホウレンソウ、小松菜、春菊、シソ、チョコレート、お茶、などの食品に多く含まれます。これらの取りすぎには注意しましょう。その他肉の摂取量を減らす、夜食の習慣はやめる、クエン酸を多く含んだ食品をとる、お酒を飲みすぎない、なども再発の予防に効果があるといわれています。

早期発見が大切
定期健診を行い、年に一度は尿路結石の有無を確認しましょう。結石によって尿の流れが妨げられ、腎臓の機能を悪化させることもあるため、健診などで結石を指摘されたら、痛みが無いからと放置せず、早めに泌尿器科を受診してください。結石は一度発作を起こすと再発しやすいので、痛みを起こしたら症状が治まっても必ず検査を受けましょう。

今月の健康情報より引用