2017.12.19

尿で癌発見     (上毛新聞より)
尿に含まれる微小な物質を調べて肺や膵臓などの5種類の癌を見つける技術を開発したと、名古屋大や国立がん研究センタ-のチームが15日付けの米科学誌に発表した。10年後の実用化を目指すとのこと。

チームの安井隆雄名古屋大助教は「健康診断で採取した余った尿で癌の有無を調べ、早期発見、早期治療につながる」と話す。
チームは癌や正常な細胞から分泌されるマイクロRNAと呼ばれる物質に着目。
長さ2マイクロメートルの酸化亜鉛の小さな針を樹脂の表面に大量に敷き詰め尿に含まれるマイクロRNAを集める装置を作った。

マイクロRNAは細胞の種類に応じて特有物質が分泌され、その種類は全部で2千以上ある。従来の検出法では尿20mlから300種類の検出するのが限界であったがこの装置は尿1mlから千種類以上検出できることを確認した。
さらに肺、膵臓、肝臓、膀胱、前立腺の癌患者と健康な人のそれぞれ3人ずつの尿を調べ、各癌に特有なマイクロRANを特定した。今後、更に他の癌に特有マイクロRNAを探す方針だ。
線虫で癌検査    (保健指導リソースガイドより)
癌検査を研究する九州大学広津教授はひょんな事から線虫による癌発見をした。サバを食べ腹痛をおこした患者の胃をカメラで覗くと胃癌の場所にアニサキスが集中して寄生したことから、アニサキスを含む線虫類は癌特有の匂いを好むことに注目した。
線虫による癌検査では24人中23人の95.8%の感度で癌患者を見つけ1200種類の匂いを嗅ぎ分けることが出来るそうです。尿1滴あれば癌検査が簡便および低コスト(1回数百円)で実施可能です。なお、実用化には10年程かかるという。
現在、日本では2人に1人が癌になり3人に1人が癌で亡くなっています。そして癌保険の加入者も大勢いますが癌検診の受診率は先進国に比べて低い。
その理由は内視鏡検査等で体に負担がかかり、費用や検査時間もかかることがあげられます。
10年後にマイクロRNAや線虫による癌スクリーニングが確立され癌検診の受診率は向上することを願います。