29.10.6

「加熱式タバコは健康を害するか」

先日、横浜市の母親が、加熱式タバコを紙タバコを吸うよりは「まだまし」と当時18歳の娘に吸わせた疑いで書類送検された。母親は紙巻きタバコを止めない娘の健康をおもんぱかって加熱式タバコを買い与えたらしい。 容疑は「未成年者喫煙禁止法違反」。皆さん、ご承知の通り、同法により喫煙は20歳からとなっている。加熱式タバコも例外ではない。 加熱式タバコは紙巻きタバコより「まだまし」かどうか、はっきりとした結論はまだ出ていないが成分によっては加熱式タバコのほうが紙巻きタバコより有害という研究もある。葉タバコを使う加熱式タバコには、中毒性があることがわかっておりニコチンも入っているので、ニコチン中毒から逃れられるわけではない。加熱式タバコによる受動喫煙の健康被害も指摘されている。
加熱式タバコから出る煙には、無視できない有害物質が含まれる、というデータがある。スイスのベルン大学の研究者がフィリップ・モリス社の加熱式タバコ「iQOS」から出る煙の成分を分析したところ、紙巻きタバコ(ラッキーストライク・ブルー・ライト)と同じ有害物質(一酸化炭素、多環式芳香族炭化水素、揮発性有機化合物など。ニコチンは紙巻きタバコの84%)が出ていた。また、WHOは受動喫煙を防ぐために「電子タバコも禁煙エリアでの使用は禁止すべき」としている。
20歳未満の娘に加熱式タバコを吸わせた横浜市の母親が健康への影響を「まだまし」と考えたように、タバコ会社の宣伝効果やマスメディアでのアナウンス効果などにより、世間一般にこうした思考が広がり始めている。禁煙したくてもできない喫煙者が、加熱式タバコを経てタバコを止める、という行動の傾向は確かにある。 しかし、まだ喫煙したことのない未成年者の場合はどうだろうか。紙巻きタバコを吸っていたが、健康への害が少ない、という一般の風潮を真に受け、加熱式タバコに手を出し、さらにそれが本格的な紙巻きタバコの喫煙へと重症化することもあるのではないでしょうか。 ミシガン大学の研究者が高校生を対象に調査したところ、電子タバコ(葉タバコを使わず、エアゾルを吸い込むタイプ。日本の加熱式タバコではない)を吸引した使用者は、電子タバコを経験しなかった喫煙者よりも翌年に紙巻きタバコを吸う割合が4倍多いことがわかった。この調査は、北米で吸引されているベイパータイプの電子タバコだが、日本で急速に普及しつつある加熱式タバコにも通じる可能性のある結果、若年層が加熱式タバコや電子タバコに手を出せば、高確率でその後、紙巻きタバコへ移行するのではないか…。と心配の声もあるそうです。電子タバコはいろいろな種類がでております。私の周囲ではタバコや電子タバコを吸う人はいませんが、電子タバコについてよく認識しておく必要があるなと思いました。また、東京都では子どもの受動喫煙を防ぐために自宅やマイカーでの禁煙を努力義務とすると議員提案を賛成多数で可決したとニュースがありましたが、禁煙者にはますます厳しい社会となってきました。

Yohhoニュース引用