2017.9.11

「9.11」

2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロから今日で16年の歳月が経ちましたが、今もあの日のワールドトレードセンター(WTC)に飛行機が突入する映像が胸に焼き付いて離れない人々は、世界中に多くいるのではないでしょうか。

アメリカ同時多発テロでは、WTCと国防総省に居合わせた人たちのほか、ハイジャックされた飛行機4機の乗員乗客の合計3000人近くが犠牲になり、6000人以上が負傷しました。

つい数日前の今年9月7日、ニューヨーク市の検視官事務所が、現場から回収されたDNAをもとに当時のテロでWTCで死亡した男性の身元を特定したと発表しました。特定の犠牲者が確かに現場にいたことが、遺留物から確認されるのは、2015年3月以来だそうです。攻撃当時にWTCビルにいて死亡した、とされる2753人のうち、4割にあたる1112人がいまだに現場にいたことが確認されていません。

また、アメリカ疾病対策センターは、昨年6月30日、アメリカ同時多発テロ関連のがんと診断された患者数が5400人を超えたと発表しました。 (米疾病対策センターとは、同時多発テロに関連して発生した健康被害の患者の認定や医療費の給付などを行っている機関です。)
がんと診断された5441人のうち、4692人は、WTCや国防総省、旅客機が墜落したペンシルベニア州の現場に出動した救急隊員や、復旧・清掃などに当たった作業員やボランティアでした。残る749人は、WTCに勤務したり近くの学校に通ったりしていました。年齢は55~64歳が全体の約半数を占めています。登録されているがんの件数は6378件に上り、複数のがんを発症している患者がいることを示しています。がん発症の原因は多岐にわたりますが、現場でガラスの破片や水銀、鉛、アスベスト、ダイオキシン、ベンゼンなど様々な有害物質、発がん性のある物質に多量に曝露したことが原因として考えられます。

がんのほかにも様々な健康被害が認定されています。事件そのものや身近な人を事件で失ったり生命が脅かされた恐怖によるPTSDやうつ病などの精神衛生疾患が約32000人、喘息や胃食道逆流症といった呼吸器系や消化器官の疾患を抱えている人は約12000人。認定患者総数は約7万5000人に上り、認定待ちの人も数多くいます。

16年経っても、テロの被害は終わっていなかったのです。そして現在も新たなテロ事件が相次ぎ世界各地で被害者は増え続けています。日本でも、サリン事件の後遺症に苦しみ続ける方々がいらっしゃいます。自分の身にいつどんな形で降りかかるかもわからないことであり、今日9月11日過ぎても関心を持ち続けていきたいと思います。

:CNN.co.jp参考