2017.6.6

「歯「80歳20本」初の5割超え 」

 厚生労働省は今月2日、80歳で自分の歯が20本以上ある人の割合が推計で51.2%に上り、初めて2人に1人以上になったとする2016年歯科疾患実態調査の結果を公表しました。40.2%だった11年の前回調査から10ポイント以上増えました。担当者は「歯を強くする成分を配合した歯磨き粉が増えたほか、高齢者らの口腔ケア意識が高まった結果ではないか」としています。20本は、入れ歯なしにほとんどのものを食べられる目安で、厚労省は「8020運動」として、高齢者の口腔ケアを推進しています。調査は昨年10~11月、全国から抽出した1歳以上の男女6278人を対象に実施しました。

第一大臼歯という大きな歯を1本失ってしまっただけで、通常の40%の咀嚼力を失ってしまうそうです。20歳を超えた成人でこの第一大臼歯が上下左右4本とも健全な人は1%いません。ほとんどの人達が治療済みか、既に失ってしまっています。歯が一本抜けると他の歯も弱ってきて最終的にはすべての歯が抜けることになります。歯は一本一本が別々の機能を有し全部で一つの仕事をしているのです。

年齢別にみていくと65歳から70歳の間に平均で10本以上の歯が抜けてしまいます。原因はほとんどが歯周病。治療せずに放置したり、適切な治療を行なわないまま時間が経過すると、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯が動くようになり、やがて抜け落ちてしまいます。歯周病の進行速度は人によって様々です。適切な治療を行なっていたか、喫煙の有無、過労やストレスの状況によって異なります。特に免疫機能が低下してしまう過労やストレスが与える影響は非常に大きいそうです。また、糖尿病などの生活習慣病の方は歯周病の進行が早くなり、治りにくくなります。

歯や口は、消化器官の一部としての役割をもっていると同時に、体全体ともつながっていることを再確認することが重要です。歯はそのうち抜ける物と決して考えずに、大事にしていきたいものです。

 

上毛新聞、歯周病予防研究会HPより引用