2017.5.12

「蚊に刺されないためには」

蚊が飛び始める季節になりました。刺された際のかゆみはもちろん、媒介する感染症も心配です。なるべく刺されないためにはどうすればよいのでしょう。

国内で確認されている蚊は100種類超。多いのは夜行性のアカイエカと、昼間に屋外で活動するヒトスジシマカで、都市部でみられる9割超はこの2種類です。ヒトスジシマカは3年前に国内感染が広がったデング熱や、小頭症との関連が指摘されるジカ熱などのウイルスを媒介します。一方のアカイエカも、米国などで流行したウエストナイル熱への感染を担うことがわかっています。

蚊の主食は花の蜜や果物の汁などで、血を吸うのはメスだけです。吸った血液中の成分は、卵を作るための栄養分として利用します。触角などで呼気中の二酸化炭素の濃度、体温や汗に含まれる乳酸などの成分を察知して人に近づきます。こうした特徴から、国立感染症研究所の沢辺京子・昆虫医科学部長は「体温が高めで、汗かきの人は刺されやすい」と指摘しています。またヒトスジシマカは大人の腰より低い部分を狙う傾向があり、身長が低い子どもは刺されやすいといいます。

運動後や飲酒後も体温が上がり、吐く二酸化炭素の量が増えるので注意が必要です。よく刺されやすい血液型があると言われますが、沢辺さんは「血液型は関係ないでしょう。少なくとも明確な科学的根拠はありません」と話しています。

 

ヒトスジシマカが活発に活動する日中に、屋外で活動する場合には、できるだけ次のような対策をして蚊に刺されないようにしましょう。

  • 肌を露出しない長袖、長ズボンを着用する
  • 素足でのサンダル履きを避ける
  • 白など薄い色のシャツやズボンを選ぶ(蚊は色の濃いものに近づく傾向がある)
  • 露出する部分には虫除けスプレーなどを使い、蚊を寄せ付けないようにする
  • 汗はこまめに拭く

 

 

厚生労働省ホームページ

国立感染症研究所昆虫医科学部ホームページ

朝日新聞 参照