2017年3月29日

「帯状疱疹ってどんな病気?」

帯状疱疹は身体の片側に起きる強い痛みと、痛みがある部分にできる帯状の赤み、湿疹、水ぶくれが特徴の病気で、子供のころにかかることの多い「水ぼうそう」のウイルスが原因で起こります。80歳までに3人に一人はかかる、身近な病気です。

15年前と比べると、およそ4割も増加しています。一度帯状疱疹にかかるともうできないと思いがちですが、実は、ウイルスは体の神経節(神経の集まった部分)に隠れて復活の機会を狙っています。長い場合は何十年も潜伏し続ける場合があります。

帯状疱疹は移るのでしょうか。

基本的にはうつることはありません。ただし、水ぶくれの中の液体にはウイルスがいるので、水ぼうそうにかかったことのない人には水ぼうそうを起こす可能性があります。

どんな人がかかりやすいのでしょう

高齢の方に多く見られる特徴があります。患者様の約70%は50歳以上の方です。身体の免疫力は、ストレス、疲労の蓄積、加齢などにより弱まります。すると、隠れていたウイルスが活発になり、神経に沿って皮膚や神経を攻撃しながら増え始めていきます。また、内臓の病気や免疫力を落とす治療をしている人などはかかる可能性があります。

帯状疱疹の出やすい時期は?

季節の変わり目や湿度の高い時期に多いです。秋口(9~10月)には発生数の6割が、春先(2~3月)にその3割が、残り1割が季節に関係なく発生しています。

症状は?

特徴的なのは痛みです。初期は皮膚症状よりも痛みが先行します。痛かゆいという表現で表す人もいます。ウイルスの皮膚の攻撃によって水ぶくれ、湿疹、発赤が現れるとともに神経への攻撃によって強い痛みが起こります。体の片側だけに帯状の痛み、湿疹が現れます。

治療方法は?

発症から3日以内がカギとなります。ウイルスの増殖は発症から3日でピークに達するため、初期の段階で抗ウイルス薬を服用します。抗ウイルス薬(バルトレックス ファムビルなど)、消炎鎮痛薬、ステロイドの内服薬、消毒薬、軟膏などを併用しながら行います。処方された薬は決められた日数忘れずに内服する、1日2回、毎日処方された消毒液を綿棒やコットンにつけ、湿疹部を消毒します。消毒後は軟膏・ガーゼを当てます。

入浴;入浴によって、体が温まり血液の循環がよくなり、痛みが和らぎますが、湿疹の状態によってシャワーだけなど制限がある場合もあります。入浴して良いかについては、診察時の指示を受けてください。

注意点: 湿疹部を強く洗いすぎない、こすらない、水疱をつぶさない事。水ぼうそうにかかったことのない子供にはあまり接触しないようにしましう。