今は噛むことに問題はなくても、年齢を重ねるごとに、噛めなくなるリスクが高くなります。それは、“骨の量”の変化に関係があります。
一般的に骨は子どもの頃から増加を続け、20歳頃にその量はピークに。以降、増えることはなく、ゆるやかに減少していきます。これは男性も女性も同じですが、女性はもともと男性に比べて骨量が少ない上、女性ホルモンが減少する閉経後は、急激に減少します。
骨粗しょう症というと、背骨や足の骨を思い浮かべるかもしれませんが、顎の骨ももちろん減少します。それによって、顎の狭小化や顎関節症につながっていくのです。更年期の女性は、歯周病にも要注意。女性ホルモンは骨だけでなく、歯周病にも関係しています。歯周病は、歯垢に含まれる細菌の感染で起こる炎症性疾患。知らないうちに進行して、ひどくなると歯ぐきを支える土台の骨が溶け出して、歯が抜けることも。
女性が歯周病になりやすい時期は人生で3回あると言われています。1回目は初潮を迎えたとき。エストロゲンとプロゲステロンが多量に分泌され、歯肉の血液循環が促されて刺激に敏感になり炎症が起きやすくなります。2回目は妊娠時。エストロゲンが増加して歯肉が敏感に。そして3回目が更年期です。エストロゲンが減少することで、唾液の分泌が減少し、細菌が繁殖しやすくなるのです。 
噛むことはさまざまな健康効果がある上、見た目の若さを保つこともできます。女性は、噛めなくなるリスクが高いということを知っておくだけで、健康を守るための備えができると言えます。高齢者でも、歯があって噛めている人はやはり若々しい。咀嚼筋を動かすことで老化のスピードを緩めることができるのです。

                                      (Fufufuro-toより引用)