皮膚は洗うほどきれいになりそうですが、夏は思っている以上に乾燥します。皮膚が接触する物によって刺激やアレルギーを起こす接触皮膚炎は、日常生活のいたるところにリスクがあります。

汗をかくと皮膚は潤っているように見えますが、気化熱によって乾燥しやすく、皮膚の防御能力が低下します。
接触皮膚炎は皮膚に物が接触した状態で起こる炎症で、急性と慢性化する場合があります。皮膚の症状は刺激によるものとアレルギーがあり、見分けがつきにくいものですが、前者の刺激性接触皮膚炎は、接触した部位を超えることはなく、原因が除去されれば治ります。一方、後者のアレルギー性接触皮膚炎では接触部位を超えて広範囲になり、重症化します。

また、目や口の周りの乾燥が目立つ患者さんの多くは、洗顔料で洗わないように指導すると半分以上が良くなります。日本人のきれい好き気質が皮膚のダメージを助長しているそうです。顔に病変があると、必要以上にこすり洗うようです。洗い過ぎて本来皮膚を守るバリア膜や常在菌まで落とし過ぎてしまうから、良くならない。30代後半になると洗顔後の皮脂分泌の回復力が低下します。自分の年齢、皮膚の状態、環境に応じた洗顔をすることが大切です。

接触皮膚炎は次のような日用品にも注意が必要です。
化粧品
目と口のまわりは、皮膚が薄く弱いところ。顔にトラブルがあると化粧かぶれと思いがちですが、洗いすぎると、パック、日焼け止め、メイク落とし、界面活性剤、つけまつ毛の接着剤などに刺激反応を生じやすくなります。特に40歳代は洗いすぎに注意しましょう。
日焼け止め
日焼け止めは、光老化の対策に有効です。しかし、紫外線吸収剤が入っていて、汗をかくと染みる人は、紫外線吸収剤の入っていないノンケミカルタイプを使うようにしましょう。
毛染め
白髪染めやおしゃれ染めでは、アレルギーが重症化して、顔が腫れる、頬から頸部に皮膚炎が広がることがあるようです。染めている最中や翌日に皮膚や頭皮に違和感があったら、毛染めアレルギーになっている可能性があります。
爪のおしゃれ
ネイルの接着用アクリル樹脂は、皮膚につくとかぶれることがあります。扱いに慣れていない人や手荒れなどで皮膚が荒れていると、爪のおしゃれでアクリル樹脂が入りやすくなるので注意しましょう。
テープや絆創膏
医療用の接着剤で接触皮膚炎を起こすことがあります。テープや絆創膏にかぶれやすい人は、病院や歯科で治療を受ける前に医療者に話しましょう。また、絆創膏を貼り、湿って白っぽくなった皮膚のまわりに水っぽい発疹が出る場合は、アレルギー性接触皮膚炎の可能性があるようです。皮膚の症状に気をつけましょう。

             (オムロン ヘルスケアより引用)