健康には影響がないとされる程度のオゾンガスを使った実験で、新型コロナウイルスの感染力を抑える効果があったとする結果を、愛知県にある藤田医科大学が発表しました。

藤田医科大学によりますと、これまでに高濃度の「オゾンガス」は、新型コロナウイルスの感染力を抑制する効果があることが報告されていますが、人体への毒性があることが課題となってきました。

藤田医科大学の村田貴之教授は、密閉した容器の中に新型コロナウイルスを着させたステンレスを入れ、容器の中で日本の作業環境基準で健康には影響が出ないとされる「0.1ppm」という低濃度のオゾンガスを発生させて影響を見る実験を行いました。

その結果、湿度 80%の条件のもとでは、10 時間後には感染力のあるウイルスの量が、処理しなかった場合の 4.6%にまで減少したということです。

また、さらに濃度が低い「0.05ppm」で実験した場合でも、20 時間後には、感染力のあるウイルスの量が 5.7%にまで減少したということで、人体に有害ではない低い濃度のオゾンガスで、新型コロナウイルスの感染力を抑える効果があることが明らかになったとしています。

この発見により、人が集まる環境でも適切な低濃度のオゾンを発生させることで、感染リスクを減らすことができるということです。

藤田医科大学では 9 月から発熱外来などでオゾン発生器を設置し、院内感染の予防などに取り組むことにしています。

(NHKニュースより引用)