早期発見・早期治療のために必要なのが内視鏡検査であり、症状がある場合や検診で異常を指摘された場合は医師と相談し速やかに必要な検査をすることが望ましい。その検査をする際に知っておかないとならないポイントがあることを知っていますか?
内視鏡は口や鼻、肛門から直接体の中に入れて行う検査ですが、内視鏡の機械は高額であるため洗浄し繰り返し使用しています。その洗浄がしっかりされていない場合には、ピロリ菌や肝炎ウイルス、多剤耐性菌などが検査を介して感染するリスクが高くなります。欧米先進諸国では内視鏡を介したそのような感染症が問題となり、遵守すべきガイドラインが策定され、遵守できない場合には罰則が課される国もあります。さらに欧米先進諸国の内視鏡検査は日本と異なり中規模以上の専門施設でしか内視鏡検査はほとんど行われておりません。日本で内視鏡を用いている施設は1万8500施設、日本施設に消化器内視鏡技師会の認定者が所属しているのはわずか7%にあたる1800施設であり、残りの93%の施設では各々独自のやり方で洗浄を行なっており洗浄のレベルは施設ごとで大きな差があるのが現状です。また日本においてガイドラインを遵守していなくても罰則はありません。ガイドラインを遵守するための設備、体制、消毒薬の使用には高額なコストがかかり、日本の保険診療ではそのコストは加味されておらずであるとはいえず、各施設にどこまでの洗浄の行うかは任されているのが現状です。健康でいるための検査で逆に感染症にかかってしまうのはあってはならないことです。内視鏡を行う施設を選ぶ際にどのような体制で行なっているのかを確認していくのはとても大切なことであると考えられます。当クリニックには内視鏡専門医と内視鏡技師会認定スタッフが所属し感染管理を徹底しております。