新型コロナウイルスの感染拡大のため、マスクが手放せない日が続き、ネット上では「マスク肩 凝り」や「マスク頭痛」といった言葉が多く見受けられる。
実際にマスクが影響しているのかは 証明されてはいないが、日本頭痛学会認定専門医の浜野忠則・福井大学医学部脳神経内科診療教授は「マスクによる締め付けや暑さなどで、頭痛や肩凝りを強める可能性はある」と話す。

頭痛は、血管が広がることで起こる「片頭痛」と、肩凝りなど筋肉の凝りから引き起こされる 「緊張型頭痛」がある。
浜野教授ら頭痛の専門家は「マスクを長い時間着けることで、頭痛持ち の人は重だるさを強く感じたり頭痛を感じる頻度が増えたりして、調子が悪くなっている人は多いのではないか」と話す。

マスクの長時間着用は、耳を引っぱる圧がかかって肩の筋肉が凝り、緊張型頭痛を引き起こすこ とが推測される。
また、マスク内の暖かい空気を吸い込むと血管が広がり、片頭痛を悪化させる 可能性があるという。

このほか、マスク着用を煩わしく思う心理的苦痛や、表情が乏しくなることで顔の筋肉の凝りが強まる、歯ぎしりや食いしばりが誘発されるなど、さまざまな要因が考え られるという。
緊張型頭痛は、ストレッチや運動で症状が改善されるとし
▽両肩をすぼめて落とす▽首を前後左 右に動かす▽しっかり笑って顔をほぐす―などの方法を勧める。

冷たい飲み物を飲む対処法もあ り、片頭痛にも効果があるという。
「これだけ長期間マスクを着けるのは、おそらく人類史上初めてだと思う」と浜野教授。
「日本 頭痛学会では『マスク頭痛』といった言葉はまだ出たことがないが、これから出てくるだろう」 と話す。
感染対策が第一とした上で「屋外など安全な場所では適宜マスクを外すと良い」とし た。

(福井新聞より引用)